ポーズをとる前にヤマ・ニヤマ
八支則のところで、アーサナの前にやるべきことがある、とされているのが、ヤマ・ニヤマです。
ヤマは禁戒。やってはいけないこと。
ニヤマは勧戒。すすんでやるべきこと。
5つのヤマ
- アヒンサー
ヒンサーが暴力で、アが禁忌を意味します。殺さない。傷つけない。暴力をふるわない。ガンジーやキング牧師で有名な取り組みです。 - サティヤ
正しい、誠実という意味。自分を守るための嘘はつかない。 - アスティヤ
盗まない。これは時間を奪わない、妬まないも含みます。 - ブラフマチャリヤ(禁欲)
禁欲、純潔、貞操。みだらにならない。
※ただし禁欲=性的行為の禁止ではありません。これは修行僧レベルの話で、僕らの生活にはフィットしませんし、種の保存から反します。ブラフマチャリヤの本質は、余計なところにエネルギーを散漫させないことにあります。100均に行って余計なもの買っちゃうみたいなことです。修行僧からすると、性的行為が余計なこと扱いなんでしょう、きっと。 - アパリグラハ
むさぼらないとよく言われます。放棄、手放すを意味する。パリグラハは、何かをとろうとして手を伸ばす、何かが自分のものだと主張するといった意味を持っています。依存症を断ち切るのもここにあたるかと。
※ヨガ哲学が起こったのは、仏教やジャイナ教ができたのと同時期で、思想が似ています。例えば仏教には五戒というのがありますが、これはまさにヤマそのもの。ヤマの最後のアパリグラハの代わりに、禁酒となっています。
ちなみに一応ヨガは宗教ではありません。なぜなら、神がいるかどうかについては言及していないから。あくまで、世界の捉え方なので「ヨガ哲学」と言われています。とはいえ、仏教、ジャイナ教あたりとも親和性が高く、古典にはシヴァ神、ヴィシュヌ神なども出てきますので、そのあたりをどう解釈していくかはあなたのヨギー・ヨギーニとしての腕の見せ所…と言えるかもしれません。
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